今回は鹿角エヌ・シー・エル株式会社様にインタビューをしてきました。
鹿角エヌ・シー・エル株式会社は、契約企業の第一号として2023年6月からかづのパワーの電気を使用しています。電気をたくさん使う製造業を営む同社がかづのパワーと契約したきっかけや、契約後の変化、地元に対する思いについて、髙橋健一社長に伺いました。(2024 年 4月 15 日インタビュー)
ーー御社のこれまでの経緯と、事業内容を教えてください。
髙橋さん 昭和 61(1986)年に鹿角市の誘致企業として設立しました。社名の NCL は、ナショナル・コンピューター・リミテッドの略です。電気製品の基盤の組み立てを主な事業としてきました。最初は NCL の子会社として設立し、その後、何度か親会社が変わりましたが、平成 15(2003)年に独立しました。独立後は、これまで積み重ねてきた半導体事業(基盤の組み立て等)を中心にしつつ、ドローン事業や農業などの分野にも拡大しています。
髙橋さん 当社の製品は、小ロット多品種が特徴です。品種が多いので「いかに効率よく組み立てるか」を重視しており、また、数が少なくても必ず機械で検査をすることで、不良品が入らないよう細心の注意を払って製造しています。売上の 4 割近くを占めるのは半導体事業で、生活に密着しているものとしては、空港などに設置されているカメラ付き温度センサーや、携帯電話の基地局などがあります。ドローン事業では、東北電力の送電線の点検を当社製のドローンを使って行っています。最近はアグリ事業にも取り組んでおり、スマート農業の分野でお役に立てればと考えています。
――かづのパワーと契約したきっかけを教えてください。
髙橋さん かづのパワー設立の際、鹿角市や市内金融機関に加え、鹿角工業振興会も出資者となりました。私は、鹿角工業振興会を代表して、かづのパワーの役員を務めさせていただくことになりました。役員をお引き受けしたのは、「鹿角市の豊富な再エネを使えるようになって、鹿角市民が喜ぶような事業になったらいいな」との思いからです。鹿角市は「2030ゼロ・カーボンシティ」をうたっています。地域の皆で協力し、かづのパワーが主役となってそれを達成できたら、こんなやりがいのある事業はないと考えました。だから、「かづのパワーの電気を使おう」と呼びかけるなら、まず自社からと思い、真っ先に契約しました。
――かづのパワーの電気を使うようになって、変化はありましたか?
髙橋さん 電気料金は、契約前と比べて 8%〜10%安くなりました。2024 年 4 月からは、さらに料金が下がると聞いているので、期待しています。
髙橋さん 他の会社さんと話していると「鹿角の電気、使いたいね〜。でもね…」と、二の足を踏んでいるところがまだまだ多いと感じます。しかし今後は、企業活動をしていく上で環境への取り組みが不可欠になっていきます。当社には、取引している大手の会社さんの監査が定期的に入ります。その時、必ず「環境への取り組みは、どのようなことをしていますか?」と聞かれます。「鹿角市脱炭素行動事業者」の認定を受けていること、「秋田県 SDGsパートナー」に登録していること、そしてかづのパワーと契約することで地元の再エネを利用していることを伝えています。今後、このような環境項目はどんどん増えていくのではないかと思います。
――地元に対する思いを聞かせてください。
髙橋さん 一企業として大事なことは、収益の柱を作ってしっかり利益を上げ、それを従業員に還元して喜んでもらうことです。そのような形で、地域に貢献していけたらと考えています。
髙橋さん 地域の未来を考える上で、かづのパワーへの期待は非常に大きいです。一企業としては、収益を上げることで地域に貢献していくことができますが、かづのパワーの場合はそれだけではありません。地元の再エネを地域の人に使ってもらうという仕組みがしっかりすることで、地域の人に喜んでもらうことができ、かづのパワーの利益も出て、鹿角市の豊かな未来へと繋がっていきます。そのために、地元の中でかづのパワーの立ち位置がもっともっと大きくなることを期待しています。